【還生の会Ⅱ-1】『別日本で、いい。』の言葉をまとって
還生の会Ⅱ 仏教をひらく・日本をゆさぶる
—— 還生の会Ⅱ-1 「心はどこへ」
「還生の会」は、シーズンⅡ《仏教をひらく、日本をゆさぶる。》を迎えるにあたり、灯主・仏教学者末木文美士さん、風主・福家俊彦さん、そして近江ARSプロデューサーの和泉佳奈子さんのメッセージをお届けします。
「還生の会」は、シーズンⅡ《仏教をひらく、日本をゆさぶる。》を迎えるにあたり、灯主・仏教学者末木文美士さん、風主・福家俊彦さん、そして近江ARSプロデューサーの和泉佳奈子さんのメッセージをお届けします。

第1期は、日本仏教の流れに沿ってお話してきましたが、第1期最後の菩薩論を受けて、第2期では仏教の基本的な理論を「心」という観点から考えていきたいと思います。仏教は私たちの「心」を深く分析し、欲望に縛られた狭隘な世界を超えて、もっと大きな世界の中で、本当の幸福はどこにあるのかを探究します。その精緻な理論を、表面的な理解に終わらず、もう一歩踏み込んで考えていきたいと思います。それは、単に既存の教理をなぞることではなく、「別」仏教として読みなおし、今の私たちの切実な問題と切り結んでいくことになるでしょう。
還生灯主:末木文美士
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いま、日本の仏教は、「何か他なるもの」に出会う必要があると思っています。従来の仏教が果たしてきた医療や福祉などの社会的役割のほとんどが世俗化し、 ましてや極楽成仏も輪廻転生も信じられなくなった現代の日本にあって、なお 仏教が果たすべき役割、その可能性があるのだとすれば、先ずは、仏教自身が、「何か」に出会わなければならない。それが松岡正剛さんから受け継ぐべき道のりの第一歩だと信じています。
これから始まる新しい「還生の会」は、もとより知識や情報を得るためのセミナーのような集まりではありません。歴史のなかで大きな影響を及ぼしてきた仏教を、現代社会に生きる人々に「開かれたことば」で語りかけ、新しい伝統を創出し、「いま、ここ」に仏教を現成させることを目指しています。
先ずは隗より始めよ、松岡正剛さんから託された宿題を果たすため、還生の会を通じて、多くの善知識の皆さんと共に歩んでいければと願っています。
還生風主:福家俊彦
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2024年4月、近江ARS TOKYOの舞台に、松岡正剛は現れた。その身にまとっていたのは、自らの手書き文字があしらわれたYohji Yamamotoの服だった。
Yohji Yamamoto POUR HOMME 2024年春夏コレクションには、松岡正剛 編著『別日本で、いい。(近江ARS いないいないばあBOOK)』から立ち上がった言葉たちが、大胆に、そして静かに、衣服として顕れた。
──「いないいないばあ」
──「逢坂の関」
──「あわせ・かさね・きそい・そろい」
──「面影」
──「顕るるもの・隠るるもの」
──「虚に居て実を行ふべし」
──「伏せて、あける」
『別日本で、いい。』とは、声高に語られる普遍的な「世界」と、無数の、まだ言葉にならない「世界たち」とのあいだにひそむ見えない裂け目をめぐる、松岡正剛と仲間たちによる編集的探求である。その書物から立ち上がった言葉が、布に、かたちに、黒に変わって、今、私たちの前にある。
服が問いかける。常識の下に覆い隠された“別の日本”を、その隙間から洩れる声を、あなたは聞き逃さないかと。この服たちは、既存の価値に背を向けるのではなく、別の価値をこちら側へと呼び寄せる方法そのものである。言葉と服が、重なり、ほどけ、静かに共鳴している。風を孕んでほどける黒。その姿は、すべての“少数派”へのエールであり、名もなき日々を生きる者たちへの、確かな宣言のように感じられる。
そしていま、松岡正剛とともに立ち上げた「還生の会」は、シーズンⅡ《仏教をひらく、日本をゆさぶる。》を迎える。『別日本で、いい。』の言葉を纏って、山本耀司と松岡正剛、ふたりによる「この服の話」から「心はどこへ」を始めたい。灯主・末木文美士、風主・福家俊彦、縁主・高山宏────その言葉の交差は、まさにこの瞬間から、静かに始まりそうだ。
近江ARSプロデューサー:和泉佳奈子
近江ARS【還生の会Ⅱ-1】(現地参加)の詳細
◎日時
令和7年6月15日(日)13時30分~18時30分頃(受付開始13時)
◎題目
「心はどこへ」
◎次第
<第1部> 風の座(かぜのざ) |福家俊彦
<第2部> 縁の音(えのね) |高山宏
<第3部> 灯の間(とものま) |末木文美士
<第4部> 言の綾(ことのあや)|おもてなし
<第5部> 還問交座 |ディスカッション
*次第の順番につきましては、変更の可能性がありますのでご了承ください。
*後日、【還生の会Ⅱ-1】の映像記録を編集して有料配信いたします。
◎場所
三井寺(園城寺)
〒520-0036 滋賀県大津市園城寺町246 園城寺
※詳細は近江ARS公式サイトにて、後日お知らせいたします。
◎出演
還生灯主:末木文美士 (未来哲学研究所所長)
還生風主:福家俊彦 (三井寺第164世長吏)
ゲスト:高山宏 (英米文学者)
紫座:鷲尾龍華 (石山寺座主)
茶観:福家俊孝 (三井寺執事)
影守:中山雅文 (中山倉庫代表)
結象:和泉佳奈子 (百間代表)
◎場づくり
芝田冬樹
三浦史朗
福家俊孝
竹村光雄
三井寺
叶 匠壽庵
六角屋
長浜まちづくり
◎定員
約80名
◎参加費
<第1・2・3・4・5部>現地参加費 13,000円(税込)
*HYAKKEN MARKETにて事前支払いをお願いします
◎推薦図書
末木文美士『思想としての仏教入門』(トランスビュー)
凝然『八宗綱要』(鎌田茂雄訳注、講談社学術文庫)
◎主催
近江ARS(アルス)
◎お問合せ
近江ARS本部 滋賀県大津市栗林町3-1中山事務所内 中山雅文
近江ARS総局 東京都千代田区九段南2-2-8松岡九段ビル百間内 和泉佳奈子
omi@arscombinatoria.jp (近江 ARS 担当 中山・和泉)
◎プロデュース
百間
<還生の会>とは?
「還生の会」という名前は、近江ARSの創設者・松岡正剛が命名しました。バーチャルに行きながら、もう一度リアルに戻って往生するという意味が込められています。
ご感想やご意見ほか、近江ARSのイベントなどのご案内をご要望の方は、本プロジェクトの公式サイトの「CONTACT」からご連絡いただけますようお願いいたします。