旅考長浜 春の曳山安藤家席のご案内
長い雪の季節のあと、湖北の春は「しゃぎり」と呼ばれる囃子の音色とともにやってきます。華麗な曳山まつりの山車を舞台に熱演と喝采。艶やかに染まる町並み。温む湖面のゆらめき。うつらうつらと夢の中を漂うような時間の中に虚実が溶け合う特別な旅をご用意させて頂きました。
道行に添う仕立て衆による語りとともに、お楽しみください。
◎日時
令和7年4月15日(火) 14時~20時
○ 集合場所:JR 米原駅 新幹線改札口
○ 解散場所:北国街道 安藤家(長浜市元浜町7-5)
◎次第
一、湖辺の野掛
一、山川草木の宴
一、奉る声送る声
◎仕立て衆
竹村光雄 潜描
北山英樹 板掛
冨田泰伸 滴醸
福家俊孝 調養
ひかる 音結
中山雅文 招洸
和泉佳奈子 慮眼
福家俊彦 傳
芝田冬樹 纏
川戸良幸 亘
◎費用
お一人様 50,000 円
遠方からお越しの方へ宿泊先として北ビワコホテルグラツィエを別途手配します。
◎連絡先
長浜まちづくり株式会社(担当:山田)
住所:滋賀県長浜市元浜町7-5/ tel:0749-65-3935


ーごあいさつー
遠方までの旅の唐突なお誘いをご一読いただきありがとうございます。
私は「地縁コミュニティ」をどうにか前に進めたいと考え、湖北長浜に居着いて 15 年が経ちます。 野暮な押し付けの代表のように敬遠されがちなその活動のなかに、国際化がすすむ時代のまちづくりや、近代の都市工学が取りこぼしてきた「地方都市の可能性」を引き出す方法があると思っています。
今回、旅考長濱でご案内させていただく曳山まつりはその可能性の宝庫です。効率と成果を目標にする組織運営とは比べようもなく舵取りに悩まされますが、そこには学校や職場では学べない集団を率いる者の姿勢や、特質の異なる個々が如何にしてその能力を発揮できるかといった訓えがたっぷりと蓄積されています。まつりの舞台裏にあるこうした可能性をもっと広く伝えたいと考えております。
また、面倒な場面や腹を割った付き合いに肩まで浸かってはじめて垣間見える長浜人ならではの人柄も見えてきました。漁師たちは、魚や獣を獲って生計を立てることに増して、それらを未来のために護ることに本気で力を注いでいます。職人の業も町衆の商いも、同種の言葉に顕れてこない思いに触れ、それらが集まる結晶としてまちを磨こうという気持ちは増すばかりです。
旅考長濱のはじまりは、こうでした。「学ぶ」とは「覚える」ではなく、何故どのようにそうなったかを考察すること。硬直化する社会を打破してあらたな未来を拓く方法を徹底的に描くべし。そんな激励をくれたのは松岡正剛氏。影から存在を、部分から全体を捉える見方を教わりながら、長浜をつぶさに巡っては自由な考えを交わし合った記憶は私の宝です。
その初心を胸に秘め、芋づる式に考察の機会が訪れてロールプレイングゲームのごとく世界が広がる旅の経験を近江ARS の仲間たちとともにお届けします。日本にひそむ「別様の可能性」をたぐりよせられるよう、皆様とその一幕にご一緒できますことを楽しみにしています。
近江 ARS /長浜まちづくり株式会社 竹村 光雄