12月3日 近江ARS「染め替えて近江大事」【第1部】ダイジェスト

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第一部「興|近江にARSを感じて」

2021年12月3日、冬晴れのなか近江ARS(アルス)のキックオフイベント「染め替えて近江大事」が行われた。会場は、滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール・大ホール。滋賀県内のみならず全国各地から数百名の方々が賑やかに集いました。延べ3時間半に及ぶプログラムを【第1部】と【第2部】の2回に分けて紹介します。

近江ARSとは、現代社会が失いかけている日本のもう一つの様式(Another Real Style)に価値を見出し、世界に発信しようというプロジェクトです。総合監修は、日本文化研究の第一人者であり滋賀県長浜にルーツをもつ編集工学者・松岡正剛氏がつとめます。中心メンバーは、三井寺長吏・福家俊彦氏ならびに県内外から集まった個性豊かな近江同志たち。

近江ARS(アルス)には、3つの意味が込められている。
1つ目は、Another Real Style(もう一つのスタイル)の略称「アルス」。
2つ目は、ARTの語源であるラテン語の「アルス」。
3つ目は、アルスコンビナトリア(組み合わせて新しい価値を生む)の「アルス」。

「見どころ」「聞きどころ」「知りどころ」

第1部「興|近江にARSを感じて」の見どころは、日本をリードする各界の著名人・専門家が語る「近江語り」。

日本文化研究の第一人者である松岡正剛氏は「自分が近江になぜ注目する理由」について様々な方面から語っている。三井寺長吏の福家俊彦氏は「目に見えないものこそ大事である」という切実な思いを吐露した。続いて、江戸文化研究者・法政大学名誉教授(第19代総長)・田中優子氏、滋賀県長浜にゆかりのある遠州茶道宗家十三世家元・小堀宗実氏のお二方を迎えた対話では、近江に積み重なった時間・空間・そして人間の厚みについて、圧倒的な読み解きが披露された。

さらに、映像出演の建築家・隈研吾氏は、近江が世界に注目されるための方法を鋭くついています。滋賀県内の佐川美術館「樂吉左衞門館」の十五代樂直入氏とMIHO MUSEUM館長の熊倉功夫氏を招いた三井寺・光浄院客殿での対話映像も必見です。

松岡 正剛氏(編集工学者・角川武蔵野ミュージアム館長|近江ARS)

松岡「わたしたちの中にひそんでいる<別様の可能性>=コンティンジェンシー。この<別>なるものをこの近江の中に見出して、<興>をおこしていきたいと思います。」

福家 俊彦氏(三井寺長吏|近江ARS)

福家「眼にみえないもの、語りえないものを、我々の営みをみてきた琵琶湖から発せられている本当に小さな声、これに耳を澄ます必要がどうしてもある。」

田中 優子氏(江戸文化研究者・法政大学名誉教授)

田中「遊行者たちが出入りしている。古代からずっと積み重なっている。そのことは、今は私たちの眼に見えないけれど、何かこの空間(近江)に蓄積されてきたのではないか。」

小堀 宗実氏(遠州茶道宗家十三世家元)

小堀「遠州は<もの>を見ていくとき、やっぱり最後は、自分のルーツ(=生まれ故郷である近江)を意識した。遠州がいた時代から四百年経って、今、自分にも、そういうことが起きている。」

隈 研吾氏<建築家|映像出演>

隈「近江ARSが世界に対して新しいかたちでの日本をみせる。それは世界から大きな注目と人の流れを生むことになる。そういうことを僕はいま夢みてますね。」

樂 直入氏<陶芸家|近江ARS記録映像より>

樂「こんなに光が美しくて色が美しい場所はない。それはいろいろな湖をみましたが、やっぱりちがうんですよね。」

熊倉 功夫氏<MIHO MUSEUM館長|近江ARS記録映像より>

熊倉「近江には、今、日本が忘れてしまったものがあると実感した。歴史の中におき忘れられてきた宝箱みたいなものが、近江のあちこちにある。」

ステージ上手から、小堀宗実氏、田中優子氏、福家俊彦氏、松岡正剛氏。スクリーンの波の紋様と呼応するかのように琵琶湖を巡る話題が出入りした。

<お知らせ>
近江ARS「染め替えて近江大事」の全編映像を、有料配信中です。
全編をご覧になりたい方は、HYAKKEN MARKETへ。

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