近江ARS TOKYO「別日本があったって、いい。――仏はどこに、おわします?」速報
別日本に向かう一堂が揃い踏み
2024年4月29日、東京・草月ホールにて「近江ARS TOKYO」を開催しました。
「別日本があったって、いい。――仏はどこに、おわします?」と銘打ったこの会は、各界のARSを魅せる豪華ゲストにご登場いただき、漆黒雲のオブジェがならび漂う青闇のステージで、「別様の日本」を交わし合いました。会場では近江ARSメンバーが懸命のもてなしで来場者を迎えました。
会場の350 席は予約で満員御礼、急遽3階に別席を用意しての開幕となった。どんな「いないいない、ばあ」が繰り広げられるのか。OP映像は俳優・ダンサー・森山未來さんによる「湖独の舞」(映像監督:MESS/音楽:kengoshimiz)。
プロデューサーの百間・和泉佳奈子。背景に琵琶湖を背負って第一声を放つ。
江戸文化学者の田中優子さん。松岡と自身のこれまでの歩みを振り返りながら、師資相承を語った。
三味線演奏家・作曲家の本條秀太郎さんと弟子の秀慈郎さん。近江ARS のために作曲した「見立て三井寺」のほかバルトークやバッハの楽曲を三味線で披露。
遠州茶道宗家十三世家元の小堀宗実さんと宗翔さんが掛け軸「遠近(をちこち)」を手に登壇。叶 匠壽庵の芝田冬樹(近江ARS)とともに、節気に興じる新たな催し「龍門節会(りゅうもんせちえ)」について語る。
近江ARS の活動をまとめた『近江ARS いないいないばあBOOK 別日本で、いい。』を手にしながら、これから向かうべき「別日本」を語る松岡。かたわらでは、影のように福家俊孝(近江ARS)が寄り添い、振舞を仕切る。
書家の稻田宗哉さんは、極太の筆を手にすると一気呵成に「境」を書き上げた。
この日の白眉の一つともいえるドリアン・ロロブリジーダさんの熱唱。ドラァグクイーンのとびきりセクシーな声で歌い上げる無常の歌に会場中が虜になった。ピアノ伴奏を務めたのは上杉公志。
三井寺 長吏の福家俊彦(近江ARS)の司会のもと、仏教学の第一人者・末木文美士さん、日本学研究者の佐藤弘夫さん、女子学研究者の米澤泉さん、石山寺 座主の鷲尾龍華(近江ARS)による豪華セッション。「仏はどこに、おはします?」をテーマにコロナ渦やサブカルチャーに漂う仏教を交わし合った。
元外交官の佐藤優さん。松岡の奥にある伏せられた思想にアプローチしながら、「みんなが彼の光を受け継がなくてはならない」としめくくった。
左官の挾土秀平さんによる漆喰のARS トーク。近江の幻の土「江州白」を蘇らせようという提案があった。
左官の挾土秀平さんによる漆喰のARS トーク。近江の幻の土「江州白」を蘇らせようという提案があった。
当代随一の仏師・加藤巍山さん。現代アートコレクション界の重鎮・鈴木郷史さん(ポーラ・オルビスHD会長)の折り紙つき。
オオトリを飾るのは樂直入さん。桃山時代に黒樂茶碗を生み出した樂家初代長次郎から数えて十五代目。伝統やARS をめぐって、言葉にならない二人の思いがステージに溢れ出る。
フィナーレに近江ARS メンバーが全員登壇。〝一期百会〟の場を生み出すため、この日に向けて奔走した。六角屋・三浦史朗(近江ARS)のしつらえた栗の巨木の切り株に入り、万感を滲ませる松岡。
後日、詳細レポートを公開予定です。
松岡正剛 福家俊彦 末木文美士 本條秀太郎 田中優子
小堀宗実 ドリアン・ ロロブリジーダ 稻田宗哉 加藤巍山
佐藤弘夫 挾土秀平 佐藤 優 米澤 泉 鷲尾龍華
樂 直入 和泉佳奈子
小堀宗翔 本條秀慈郎 森山未來 (映像出演)
樂 直入 和泉佳奈子
小堀宗翔 本條秀慈郎 森山未來 (映像出演)
◎主催|近江ARS
◎後援|滋賀県
◎企画|HYAKKEN、EDITHON
◎進行|ポマト・プロ、三浦ニュールーム
◎振舞|叶 匠壽庵、冨田酒造、CROWD ROASTER
◎室礼|三井寺、石山寺、六角屋、丸三ハシモト
◎表方|長浜まちづくり
◎裏方|中山倉庫、中山事務所
◎空間|中村碧
◎デザイン|佐伯亮介
◎編集|広本旅人
◎映像|MESS
◎中継|横谷賢一郎
◎伴奏|上杉公志
◎協力|松岡正剛事務所、編集工学研究所
◎プロデュース|百間
========
Instagram; hyakken_official