遠州茶道宗家 十三世家元の小堀宗実氏と「近江」の深いつながり
遠州茶道宗家 十三世家元の小堀宗実さん、家元夫人の小堀貴美子さん、そして家元の次女、小堀宗翔さんが、12月の近江ARSキックオフイベントの登壇に先立ち、近江の視察に来られた。チェアマン中山雅文さんほか近江ARS(アルス)のコアメンバーが、三井寺、石山寺、そして叶 匠壽庵を1日でご案内。小堀お家元は、近江と遠州流がどのような物語で繋がっていたのかを結び直すように、それぞれの場所を丁寧に見て回られた。
そもそも「綺麗さび」という茶道の世界を率いる遠州流茶道の流祖は、江戸初期の大名茶人である近江小室藩主の小堀遠州(現在の滋賀県長浜市)である。千利休、古田織部と続いた茶道の系譜を継ぎ、幽玄・有心の茶道文化を作り上げ、生涯に400回余りの茶会を開いたとか。また、御水尾天皇をはじめとする寛永文化サロンの中心人物になるほか、作事奉行として建築・造園にも秀でた才能を発揮した。
視察後、お家元はこのような感想を寄せてくださった。「近江は遠州の時代以前はもちろんのこと、戦国から徳川3代にかけて、オールスターキャストの映画が出来るくらい人材が豊富です。信長、秀吉、家康の天下取りの3人に小堀遠州は繋がっています。焼物も信楽、膳所に通じ、光悦も遠州を通じて近江に繋がります。遠州が茶道に『銘』をつける事について、今まで私が考えていたことに加えて、その奥に生まれ故郷近江があったはずという考えが湧いてきた」とのこと。
近江ARSでは、来春あたりに滋賀県長浜を視察したうえで、小堀お家元はじめ遠州流の皆さんと近江から発信する日本の「Another Real Style」の第一歩を踏み出す予定。