松岡正剛の旅考長濱 1|近江ARSメンバーとともに

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「寂しいけれど暗くはなく、しっとりとしていても湿っぽくはない。」
白洲正子は『かくれ里』の中で、湖北を「陶器にたとえれば李朝の白磁」と表現した。
春のやわらかな光のものと桜の名残りを感じながら琵琶湖を臨む。
 近江ARSメンバーが「松岡正剛の湖北視察」として仕立てた「旅考長濱」は、いくつものアナザー(もう一つ)が結び目を作り、さらに次のアナザーへ向かう格別の旅となった。
 
 旅の入口には、松岡家の菩提寺と梨の木墓地の参拝が用意されていた。願養寺ご住職の計らいにより、本堂の仏前には、121年前、蓮如上人400回忌法要の際に松岡家から寄進された朱鮮やかな五つ牡丹の打敷がしつらえられていた。松岡さんは母の形見のお数珠を手に長い時を遡る。後日、松岡さんは「この3日間のどこかではお参りしようと思っていたが、最初に近江ARSメンバーといっしょにお墓に出向くとは思っていなかった。ありがとう」と語った。
松岡家のお墓のまえでお焼香する松岡正剛さんと三井寺の福家俊彦長吏。近江ARSはその場を囲んで一部始終を見守った。
 こうして近江ARSメンバーとの連行による2泊3日の「長濱旅考」が始動した。
湖北近江の面影と在様を、松岡正剛さんの言葉とともに振り返る。
 
▼旅考
 
4月14日(木)
北国街道安藤家
近江孤蓬庵
 
4月15日(金)
菅浦
大音集落
糸取工場(邦楽器原糸製造保存会)
伊香具神社
丸三ハシモト
 
4月16日(土)
曳山祭り
石道寺
冨田酒造
江北図書館
 
 
 
旅日時  |2022年4月14日(木)
 
旅考人  |松岡正剛
近江ARS |福家俊彦、福家俊孝、川戸良幸、村木康弘、三浦史朗
      横谷賢一郎、加藤賢治
 
仕込み衆 |竹村光雄、冨田泰伸、對馬佳菜子、橋本英宗、川瀬智久
仕立て衆 |中山雅文、和泉佳奈子、中村裕一郎、中村碧
 
文章   |渡辺文子
写真   |新井智子
 
収録   |伊賀倉健二、亀村佳宏、小川櫻時

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